研究課題
惑星科学の分野において極めて重要なプロセスである天体衝突現象を、GPU(Graphics Processing Unit)を用いて、これまでにない高解像度でシミュレーションを可能にするコードを開発することが本研究の第1の目的である。そして、このコードを用いて、解像度の点で決着のついていない月形成問題などの解決を図り、本コードの有用性を示すことが第2の目的である。第3の目的として、衝突計算コードを用いて日本の衝突実験グループと共同研究を行うことである。研究代表者は、これまでに開発してきたCPUベースの天体衝突コードをGPUベースのコードに改良し、粒子間の相互重力の計算にTree法(Barnes & Hut 1986)を用いるなどの工夫を行ってきた。さらに、Godunov SPH法(Inutsuka 2002)を拡張し、コードに組み込むことによって、さらに高速化を試みた。最終的には、最新のGPUであるTeslaボードを用いて、通常のコンピュータの30倍以上の演算性能を出せるようになった。平成24年度は、これまでに作成した衝突プログラムコードを用いた高解像度の衝突シミュレーションを行い、衝突実験グループ(杉田研・東大)との共同研究を行い、衝突計算コードの有用性を示すことが出来た(Sekine & Genda 2012)。また、地球型惑星形成の最終ステージに頻繁におこる巨大天体衝突を高解像度でシミュレーションをすることによって、衝突時にばらまかれる破片についても定量的に議論ができるようになった。これらの破片は、現在観測で報告されている高温デブリ円盤の起源である可能性が高いことがわかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 2件)
Geoscience Frontiers
巻: 4 ページ: 141-165
Planetary and Space Science
巻: 63 ページ: 133-138
10.1016/j.pss.2011.05.015