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2010 年度 実績報告書

気候監視のための高層気象観測用・超小型・高精度水蒸気センサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22740306
研究機関北海道大学

研究代表者

藤原 正智  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (00360941)

キーワード気候 / 観測 / 水蒸気 / 高層気象 / センサー
研究概要

本研究では、気候監視に用いる事ができる高精度な高層気象観測用水蒸気センサを開発することを目的とし、現在主に産業用として用いられている鏡面冷却方式センサFINEDEW((株)山武)を用いて、ラジオゾンデ用として使用できるように改造し、地上から下部成層圏までの水蒸気濃度を連続観測できるセンサの開発を行う。本年度の成果は以下の通りである。
まず、マイコンを組み込んだ軽量化した新たなコントロール回路や計測・制御プログラムを設計・作製したうえで、明星電気製ラジオゾンデとの接続を行い、飛揚可能な総重量900gの鏡面冷却式センサを試作した。このラジオゾンデ版FINEDEWの基本動作を上空大気の環境を再現できる真空チャンバーを利用し確認し、ラジオゾンデ版FINEDEWが下部成層圏の低濃度の水蒸気まで計測できうる能力を有することを確かめた。その後、鏡面冷却式センサの開発で最も重要となる鏡面冷却の制御(PID制御)の制御パラメタの設定を調整するため、低温実験室や真空チャンバーおよび風洞装置等を用いて、気温・湿度・風速などを変化させた様々な環境中で制御パラメタを変えながら計測実験を実施した。その結果明らかとなった制御パラメタの環境依存性を考慮し、ラジオゾンデ観測に適した制御パラメタ値を設定した。また、センサの鏡面付近で生じる物理現象について理論的考察を行うことで、計測実験で調べた制御パラメタの環境依存性を確かめた。
以上の実験や考察から最適と考えられる制御パラメタに設定したラジオゾンデ版FINEDEWの試験飛揚を、2011年1月28日、茨城県守谷市にて行った。高度約10kmまでの露(霜)点温度を計測することに成功し、同時に飛揚した相対湿度計RS-06Gとの比較により、その性能や課題について考察をおこなった。
また、過去の水蒸気ゾンデ観測データを解析した結果を2篇の論文としてまとめた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Cloud-top height variability associated with equatorial Kelvin waves in the tropical tropopause layer during the Mirai Indian Ocean cruise for the Study of MJO-convection Onset (MISMO) campaign2010

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, J., M.Fujiwara, A.Hamada, Y.Inai, J.Yamaguchi, R.Shirooka, F.Hasebe, T.Takano
    • 雑誌名

      Scientific Online Letters on the Atmosphere

      巻: 6 ページ: 97-100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Seasonal to decadal variations of water vapor in the tropical lower stratosphere observed with balloon-borne cryogenic frostpoint hygrometers2010

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara, M., H.Vomel, F.Hasebe, M.Shiotani, S.-Y.Ogino, S.Iwasaki, N.Nishi, T.Shibata, K.Shimizu, E.Nishimoto, J.M.Valverde-Canossa, H.B.Selkirk, S.J.Oltmans
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research

      巻: 115 ページ: D18304

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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