ZM-gridを採用した正20面体格子上のモデルについて更なる高精度化を進めた。2次関数を利用して格子内の変数分布を再構築する3次精度・4次精度の新移流スキームに関する論文が受理・掲載された。ZM-grid特有の計算モードの問題について、計算モードが合計で12個あることを突き止め、その対策を考案した。また、6角形の計算ノードに変数を定義する際に、1次関数ではなく2次関数を利用する方法も考案した。これらの新手法については年度内に論文化するには至らなかったが、将来的なモデルの高精度化に繋がると期待できる。また、モデルを3次元化するべく、鉛直座標に関するテストも行った。気象モデルで広く用いられている地形に沿った座標系とデカルト座標系に山岳を埋め込む手法の1つであるパーシャルセル法について、新しくモデルを作成した上で標準的なテストケースにより比較し、パーシャルセル法に大きな問題がないことを確かめた。正20面体格子へのパーシャルセル法の実装に取りかかったが、完成には至らなかった。
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