雲の統計的簡略化を行わず雲微物理過程を直接計算する全球雲解像モデルは、最先端のスーパーコンピュータ(京や地球シミュレータ)を利用して実用化が進められており、気候計算の精度を著しく向上させると期待されている。しかし、全球雲解像大気モデルは未だ完成されたものではなく、モデルの基礎となる流体方程式の離散化の部分でも、計算安定性や計算精度の点で課題が残っている。本研究では、水平方向について高精度な輸送スキームと高次精度の傾き項の離散化法を開発し、鉛直方向についてはパーシャルセル法に基づく離散化手法のテストを行った。本研究で開発した新手法を用いることで、全球雲解像モデルの信頼性が高まると期待できる。
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