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2011 年度 実績報告書

熱輻射光の方位-偏光特性による黒色炭素粒子の形状推定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22740311
研究機関東京大学

研究代表者

茂木 信宏  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (20507818)

キーワードエアロゾル / 計測工学 / 地球環境 / 気候変動
研究概要

大気中の黒色炭素(BC)エアロゾル(微粒子)の形状の分析法の開発は、人為起源エアロゾルの気候影響や微粒子計測技術の分野では最先端かつ重要な研究課題である。本研究では、これまで未検証だった微粒子からの熱輻射の一般理論を実験的に検証し、BCの形状分析が可な新しい原理を提唱した。
本年度は、光波長よりも小さなサイズの微粒子について、放出される熱輻射光の方位依存性・偏光状態が粒子形状によって決定される物理現象を実証した。このために、レーザー照射により高温に加熱した形状既知の微粒子の熱輻射光の方位依存性・偏光状態を測定し、理論計算と照合した。単一粒子から放出される熱輻射光の強度の方位依存性・偏光状態を同時に測定できる「偏光分離型レーザー誘起白熱法」の実験装置を開発した。この実験装置で、薄い板状の形をしたグラファイト微粒子を計測した結果、測定結果は、板状粒子から放出される熱輻射光の方位依存性・偏光状態をロイトフの熱輻射理論を用いて計算した予測結果と非常によく一致した。これは、波長よりも小さい微粒子からの熱輻射現象を理論・実験の両面から整合的に解明した世界初の結果である。ロイトフの理論は、波長よりも小さな物体から放出される熱輻射光を定量的に予測できる現在唯一の物理理論であるので、本研究による検証の成功は、BCの形状分析への応用に限定されず科学技術全体においても普遍的意義のある成果だと考えられる(発表論文1)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Multiangle polarimetry of thermal emission and light scattering by individual particles in airflow2011

    • 著者名/発表者名
      Moteki, N., Takegawa, N., 他3名
    • 雑誌名

      Aerosol Science and Technology

      巻: 45 ページ: 1184-1198

    • DOI

      10.1080/02786826.2011.583299

    • 査読あり
  • [学会発表] 微粒子から放出される熱幅射光の偏光・方位依存性の検証実験2011

    • 著者名/発表者名
      茂木信宏, 竹川暢之, 他3名
    • 学会等名
      日本気象学会2011年度春季大会
    • 発表場所
      東京都国立オリンピック記念青少年総合センター
    • 年月日
      2011-05-20

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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