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2010 年度 実績報告書

日本海沿岸域における底部冷水層の変動特性と海洋環境への影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22740315
研究機関福井県立大学

研究代表者

兼田 淳史  福井県立大学, 海洋生物資源学部, 講師 (70304649)

キーワード海洋物理・陸水学 / 海洋科学 / 自然現象観測・予測 / モニタリング
研究概要

本研究では、日本海の沿岸から水深300m程度までの陸棚域までを主な研究対象海域とし、陸棚斜面付近の底層に形成される海水に着目する。この海水は、さらに沖合の底層に存在する日本海固有水よりは高温であるが、上に述べた研究対象海域内においては低温な海水であることから、ここでは底部冷水層と呼ぶことにする。本研究の目的は、日本海沿岸域の底部冷水層の分布域およびその変化などの基本特性の解明である。初年度にあたる22年度は、データの収集・解析と現地観測を実施した。データの収集・解析では、海洋データベースや公的機関などから水温、塩分データを収集し、沿岸から陸棚域にかけてのデータセットを作成した。このデータセットは、陸棚域から沿岸域にかけての平均的な水温、塩分構造や、冷水層の基本特徴について理解するために用いる。既にその解析の一部を開始し、冷水層は時期によって厚さや存在範囲を大きく変化させていることがわかった。一方で、現地観測として若狭湾で海洋観測機器の係留観測を実施した。若狭湾の湾口付近は陸棚斜面になっており、そこでは本研究において着目する冷水層が形成される。冷水層または冷水の影響を受けた海水が岸近くの海況に与える影響について理解するために、観測は若狭湾内にある複数の半島の先端付近で4月頃から12月頃まで実施した。全測点で海面から海底までの複数層で水温を測定し、湾中央部の観測点では水温に加え、塩分、流れも測定した。若狭湾の複数の点で同時期に係留観測を実施した例は少なく、貴重なデータを取得することができた。取得した水温の時系列をみると、夏季に一時的に低温化する現象が発生していることを確認した。この夏季の低温化は、陸棚域底層にある冷水またはその影響を強く受けた海水が岸近くの水温環境に大きな影響を与えている可能性を示唆しており、冷水層の時間・空間変動を理解する上で重要な知見となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 若狭湾およびその周辺海域における水温、塩分構造の季節変動特性2011

    • 著者名/発表者名
      兼田淳史・藤田峻輔・瀬戸久武
    • 学会等名
      日本海洋学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2011-03-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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