研究課題/領域番号 |
22740319
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
小守 信正 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレーションセンター, チームリーダー (80359223)
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キーワード | 海洋物理・陸水学 / 極地 / 人工衛星 / 地球変動予測 / 海氷 / データ同化 / 海洋海氷結合モデル / 大気海洋結合モデル |
研究概要 |
データ同化の成否は、観測データの質・量のみならず、使用する数値モデルの性能にも大きく左右されるため、平成23年度も引き続き、海洋海氷結合モデルOFES(Ocean General Circulation Model for the Earth Simulator)の改良を行った。特に、OFESの基となった海洋大循環モデルMOM3(Modular Ocean Model version3)における短波透過の取扱いの問題点とその影響を定量的に評価した。 一方、実験的海氷変動予測システムESPreSSOの開発に当たり、当初は海洋海氷結合モデルOFESを使用する予定であったが、検討した結果、海氷および海洋表層におけるアンサンブルメンバー間のばらつき(スプレッド)を十分大きくするためには、大気海洋海氷結合モデルCFES(Coupled Atmoephere-Ocean Model for the Earth Simulator)を使用する方がより適切であることが判明した。そこで計画をやや変更し、CFESを用いた大気海洋海氷結合アンサンブルデータ同化システムのプロトタイプを構築した。現状では大気の観測データのみを同化可能であるが、数ヶ月間の解析・予報サイクルが安定して動作していることを確認した。平成24年度には、海面水温と海氷密接度・海氷厚の観測データを同化する機能を実装する予定である。 また、2011年2月から一般の研究者への公開が開始された、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の人工衛星CryoSat2による観測データの収集を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画をやや変更したものの、大気海洋海氷結合アンサンブルデータ同化システムのプロトタイプを構築できたため。
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今後の研究の推進方策 |
実験的海氷変動予測システムの基盤を海洋海氷結合モデルOFESから大気海洋海氷結合モデルCFESへと変更したため、より挑戦的・野心的な課題となったが、CFESは研究代表者が過去10年間に渡って開発・改良を手掛けてきたモデルであり、細部まで熟知しているため、大きな問題とはならないと考えている。また、適宜、研究協力者の支援や助言を受け、着実に研究を推進する。
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