本研究では、土壌の化学組成と土壌生成場の気候との関係性を多変量統計学によって明らかにした。この結果,寒冷・寒冷湿潤・ステップ・温暖湿潤・乾燥・半乾燥・熱帯雨林気候帯の土壌を識別するスキーム(W 値)を開発した。さらに、このスキームを古土壌の化学組成に適応することによって古気候を解析する新たな指標を提示した。北海道と中国大陸の白亜系に対して、本手法を適応したところ、酸素同位体による既存の古気温データと相関するW 値の時系列データを得られた。したがって、W 値を利用した古気候解析方法は有効であることを確かめた。
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