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2011 年度 実績報告書

歪んだルチル構造をとる含水鉱物の水素結合の圧力応答と圧縮機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22740349
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

佐野 亜佐美  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (30547104)

キーワード地球深部科学 / 中性子散乱 / 含水鉱物 / 同位体効果 / 水素結合 / 高圧物性
研究概要

含水鉱物は沈み込む海洋プレート中に存在し水を地球深部へもたらすキャリアーの役割を果たすため、その高圧下におけるふるまいを明らかにすることは地球深部科学の重要課題のうちのひとつである。歪んだルチル構造をとる含水鉱物(δ-AlOOH)では10GPaにおいて圧縮挙動の変化が発見され、これが水素結合の対称化により引き起こされていると第一原理計算により指摘されている。
本研究では対称化に至るまでの相転移機構と圧縮挙動変化との関連を明らかにするために、類似する構造をとる水酸化物群について圧縮実験を行い、常圧における水素結合距離と圧縮挙動変化の起きる圧力との間に相関があることを明らかにした。また特にその中でも非常に強い水素結合を有するβ-CrOOHおよびβ-CrOODでは同位体の違いにより軸比の圧力応答に差があることが発見された。以前の中性子散乱実験の結果では、β-CrOOHとβ-CrOOD、ともに水素がディスオーダーした構造である可能性が高いと報告されている。しかし今回の実験により両者で圧縮挙動が異なることが明らかになり、常圧下における水素結合の状態に違いがある可能性が示唆され、今後この原因について中性子散乱実験による解明が進むことが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Compression behaviors of distorted rutile-type hydrous phases, MOOH (M=Ga, In, Cr) and CrOOD2012

    • 著者名/発表者名
      A.Sano-Furukawa, T.Yagi, T.Okada, H.Gotou, T.Kikegawa
    • 雑誌名

      Physics and Chemistry of Minerals

      巻: 39 ページ: 375-383

    • 査読あり
  • [学会発表] Neutron diffraction studies on hydrous and nominally anhydrous minerals2012

    • 著者名/発表者名
      A. Sano-Furukawa
    • 学会等名
      Joint Symposium of Misasa-2012 and Geofluid-2
    • 発表場所
      三朝町
    • 年月日
      20120318-21
  • [学会発表] CrOOHの圧縮挙動におけるDH同位体効果2011

    • 著者名/発表者名
      佐野亜沙美、八木健彦、服部高典、有馬寛、阿部淳、小松一生
    • 学会等名
      第52回高圧討論会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      20111109-20111111
  • [学会発表] Neutron diffraction study on δ-AlOOH at high pressure2011

    • 著者名/発表者名
      A.Sano-Furukawa, K.Komatsu, T.Hattori, T.Nagai, H.Kagi, J.J.Molaison, A.F.Moreia DOS Santos, C.A.Tulk
    • 学会等名
      International Conference on High Pressure Science and Technology (AIRAPT-23)
    • 発表場所
      Mumbai, India
    • 年月日
      20110925-20110930
  • [学会発表] 歪んだルチル型の含水鉱物における大きなD/H同位体効果2011

    • 著者名/発表者名
      佐野亜沙美
    • 学会等名
      地球惑星連合大会2011年年会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20110522-27

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公開日: 2013-06-26  

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