| 研究概要 |
本年度は、調査航海によるプチスポット火山の探査、昨年度発見されたチリ沖プチスポット火山の化学組成分析、および海底音響データ解析システムの構築を行った。
独立行政法人海洋研究開発機構調査船「よこすか」「しんかい6500」YK10-05航海が5月に施行された。太平洋プレート西部の南鳥島周辺海域において潜航調査と海底音響調査を行い、火山岩試料の採取を行い、海底の詳細地形と地質が判明した。また、昨年度チリ沖で採取されたプチスポット火山の岩石試料を用いた化学組成分析を、東北大学と金沢大学において行った。
9月に行われた日本地球化学会の年会では、チリ沖プチスポット火山の詳細について発表を行った際に本講演がプレスリリースされ、メディアから報道された。他にも、日本鉱物化学会において招待講演を行い、日本火山学会の年会やAmerican Geophysical UnionのFall Meetingにおいても本研究成果に関する講演を行った。平野ほか(2010,地質学雑誌)では、プチスポット火山の研究から期待される今後の研究成果について将来性と問題点を提起し、Valentine & Hirano (2010, Geology)では、プチスポットマグマの上昇機構について、プレートの応力場状態をもとにその上昇メカニズムを提案した。Harigane et al.(2011, EPSL)では、プチスポット火山がもたらしたマントル捕獲岩から判明した深部リソスフェアの物質学的特性を初めて明らかにした。他にもHirano(2011印刷中,Geochem.J.)の論文が受理された。
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