研究課題/領域番号 |
22740354
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
光延 聖 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (70537951)
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キーワード | スペシエーション / FISH / マイクロXAFS |
研究概要 |
平成22年度に引き続き、堆積物へのモリブデン濃集機構を明らかにするため、新規のin situ化学状態決定法の開発を進めた。高い空間分解能を有する蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法とマイクロX線吸収分光(μ-XAFS)法を組み合わせ、ミクロスケールで微生物の群集解析と元素の化学状態決定を同時に観察することを目的とした手法である。平成22年度は主にFISH法を堆積物に適用するための基礎研究を実施したため、本年度は実際の堆積物試料を使って、μ-XAFS分析を行なった。本年度前半に大型放射光施設 KEK-PF BL4A (つくば市)にて、堆積物のマイクロXAFS分析を行なった。このビームラインで用いられるX線は、5 μm程度に集光されているため、高い空間分解能で元素の化学状態に関する情報を得ることができる。まず、測定が比較的容易な主要元素(鉄, マンガン)の化学状態を観察した。その結果、FISH法からわかる特定微生物の分布と鉄の化学種変化に相関が見られ、微生物によって生成された鉄酸化物を直接的に観察することに成功した。次にモリブデンなど微量元素の測定を試みたが、濃度が低いことなどが影響して質の高いXAFSスペクトルを得ることができなかった。この点については、よりX線強度の強いビームラインで測定することで解決できると考えており、来年度(平成24年度)に実施予定である。また、年度後半に予定していたSPring-8(兵庫県)での実験申請ができなかったことが影響し、実験計画の変更を行なった。計画変更にともなって、研究費繰越の申請も行ない承認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度後半に予定していたSPring-8(兵庫県)での実験申請ができなかったことが影響し、今年度の実験計画に若干の遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度には、再度SPring-8での実験申請を行ない、堆積物のXAFS測定をできるだけ早く進める予定である。また来年度は研究最終年度であるため、年度の後半には原著論文作成や学会発表など成果のとりまとめにも注力する予定である。
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