研究課題
研究の目的は、レーザー航跡場で、イオンが直接加速可能であることを実証することにある。そのためには、以下の3課題を明確にする必要がある。I.位相速度の遅いHigh-Zイオンプラズマ波の励起、II.High-Zプラズマ波への陽子入射とその加速実証、III.加速陽子をプラズマ波に捕獲及び加速し続けるための、プラズマ密度、加速電場強度及び位相速度の制御。本研究期間内では、すでに着手しているIの詳細検証の後、IIに着手する。本年度の成果は以下の2つである。[1]対向照射システムの改善昨年度軸外し放物面鏡とレンズで構築した対向照射システムに改良を施し、誘電体多層膜コーティング放物面鏡2個を設置した。その結果、ビーム径を50mmから60mmに拡大することができ、レーザービームの強度向上により、エネルギー集光特性が1.2倍向上することが見込まれる。また、レンズを用いない集光光学系のため、レンズ媒質と超短パルスレーザーとの相互作用による非線形効果を低減でき、プラズマとレーザーの相互作用による非線形効果のみを検出することが期待され、遅波計測の感度向上が期待される。[2]陽子加速検証のための実験パラメータ整理遅波励起プラズマ波励起の実験結果を詳細解析し、期待される陽子加速エネルギーとゲインを検証した。その結果、密度変調度0.11、加速電場0.22GV/mとなり、加速ゲインは、2keVであることが示された。エネルギー50keVの陽子を遅波により、2keV加速できうる可能性を見出した。以上の結果は、物理学会秋季大会(大阪府立大)、物理学会年会(新潟大)にて発表した。
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http://www.gpi.ac.jp/bunya/energy/research.html