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2010 年度 実績報告書

STM-IETS法の巨大分子系への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22750006
研究機関東北大学

研究代表者

道祖尾 恭之  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10375165)

キーワード1分子計測(SMD) / 分子認識 / ナノ材料 / 表面・界面物性
研究概要

本年度は、高精度な振動分光と像観察を両立させるために制御系を中心に装置の整備を行った。具体的な内容は以下の通りである。
1)試料準備・搬入室の構築
試料の準備は溶液浸漬法によって固定を行ため、溶液から取り出した試料は不純物汚染を避けるために速やかに真空槽内へ導入しなければならない。真空ポンプへのダメージを軽減する必要があるため、予備排気系を持つ試料準備搬送室を装置に組み込んだ。その結果、測定用の真空槽の真空度が安定に維持できるようになり、試料表面に付着する不純物の減少も確認できた。
2)測定・制御系の改良
信号検出の精度を高めるためにトンネル電流信号を測定のための信号経路制御経路は別に分離し、探針の位置制御信号経路にローパスフィルタを経由させる回路をシステムに組み込んだ。その結果、重畳電圧による探針位置の制御への影響が少なくなり、STM-IETS測定との同時観察を行う際に形状像の分解能を向上できた。
3)基板試料への分子固定方法の最適化
末端をチオール化したpoly(dG)poly(dC)DNA鎖は金基板に対して、乾燥窒素ガス吹き付け法により伸張固定化が可能であることが確認できた。しかしながら1本のDNA鎖を分離して固定化するまでには至らなかった。これは、DNA鎖間の相互作用が当初の予想以上に強かったが起因すると考えられる。そこで、酸性溶液にて分散・変性させることができるチトクロムcの金基板への固定方法を模索し、最適化を行った。予備実験としてAFMでの実空間観察を行った結果、単純に試料溶液を滴下して乾燥させると表面張力で基板の平坦性が著しく失われること。酸性溶媒で洗浄した場合、残留する不純物との識別が非常に困難になることがわかった。そこで、試料の基板への定着を湿度管理した雰囲気中で行い、基板の洗浄方法を工夫して、比較的不純物の少ない測定用試料を得ることが出来るようになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] STM Study of the Redox Behavior on CeO2 (111) Surface with Hydrogen2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Sainoo
    • 学会等名
      ICSPM18
    • 発表場所
      静岡・伊豆熱川
    • 年月日
      2010-12-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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