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単一生体分子の局所的な分光測定に必要なナノ空間を有するとともに光閉じ込めや光伝搬制御を可能にする誘電体の周期的なナノ構造（フォトニック結晶）を利用した高感度な単一分子蛍光測定法や単一の蛍光色素標識の配向を解析する新規手法の提案を目指して研究を進めた。生体分子の運動解析に用いられる単一分子蛍光測定では可視光領域に発光スペクトルを有する蛍光色素が広く用いられている。我々は、可視光領域で透明であり、高い屈折率を有する酸化物材料を用いることで単一分子蛍光測定に使用可能な低バックグラウンド発光の2次元フォトニック結晶スラブを作製することに初めて成功した。励起光および蛍光のフォトニック結晶のモードとの共鳴効果により単一分子の蛍光増強が可能であることを実験的に示した。また、2次元フォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶スラブを利用した場合に、蛍光色素の配向により蛍光寿命が大きく変化することを見出した。これらの結果から、個々の生体分子の折りたたみ過程などの観測に重要である単一分子蛍光測定法をこれまでより高感度化するとともに、単一生体分子における蛍光色素標識の配向を蛍光寿命の変化から解析するための新たな道筋を示すことができた。
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