研究課題
次世代を切り拓く革新的な電子・光・磁気機能を有する物質の創出を図るため、本研究では非常に安定な非局在型πスピンを有する常磁性内包フラーレンに着目し、その選択的分子変換による構造および電子特性の制御を行うことを目標とし、検討を行ってきた。フラーレン類は、多様な電子・光学機能をもたらすπ電子を分子骨格にもつナノサイズの巨大π電子系である。さらに、このπ空間に金属原子を閉じ込めた金属内包フラーレンは、金属原子からフラーレンケージへ電子移動が起こるため通常の空フラーレンとは大きく異なる優れた酸化還元特性を有し、加えて磁性化、反磁性化が容易であることから非常に興味深い化合物群である。磁気的・電子的特性が優れた金属内包フラーレンを有機ドナー分子または金属錯体と集積化することで革新的な機能の発現を確信する。平成23年度は常磁性金属内包フラーレンを大量合成し、得られた常磁性内包フラーレンに対して選択的1,3-双極子環化付加反応を用いた機能性置換基導入の検討を行った。具体的には金属錯体の配位子として広く用いられているピリジンを置換基として導入し常磁性内包フラーレン配位子を大量に合成した。次に合成した常磁性内包フラーレン配位子を用いて金属ポルフィリンなど種々の金属錯体に対する配位挙動の検討を行った。錯形成の評価は吸収および蛍光スペクトル測定などを用い系統的に行った。得られた超分子系の過渡吸収スペクトル測定を行う事によって光誘起電子移動挙動について検討を行った。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
J. Am. Chem. Soc
巻: 133 ページ: 17746-17752
DOI:10.1021/ja2062727
巻: 133 ページ: 3796-3799
DOI:10.1002/ange.201100961
Angew. Chem. Int. Ed
巻: 50 ページ: 5909-5912
DOI:10.1002/anie.201100432
J.Am.Chem.Soc.
巻: 133 ページ: 19553-19558
10.1021/ja208841w
巻: 133 ページ: 13280-13283
10.1021/ja205391v
巻: 133 ページ: 7608-7618
10.1021/ja20233lr
巻: 133 ページ: 7128-7134
10.1021/ja200903q
巻: 133 ページ: 2166-2771
10.1021/ja110465y
巻: 133 ページ: 2382-2385
10.1021/ja1107723
Angew.Chem., Int.Ed.
巻: 50 ページ: 6356-6359
10.1002/ange.201100961
Chem.Asian J.
巻: 6 ページ: 416-423
10.1002/asia.201000244
Molecules
巻: 16 ページ: 9495-9504
10.3390/molecules16119495
Heteroat.Chem.
巻: 2 ページ: 426-431
10.1002/hc
Phosphorus, Sulfur, Silicon Relat. Elem.
巻: 186 ページ: 1308-1311
10.1080/10426507.2010.523033
Nanoscale
巻: 3 ページ: 2421-2429
10.1039/C0NR00968G
http://www.tara.tsukuba.ac.jp/~akasaka-lab/