配位高分子の新たな合成法である保護-脱保護法を発展させ、種々の官能基を有する配位高分子とその内空間の構築を目指した。また得られた官能基導入内空間を用いた新規プロトン伝導体の構築を行う。具体的には3年間で下記の2つの研究課題の遂行を目指した。 (1)保護-脱保護法の適用範囲を広げ、種々の官能基の導入(スルホン酸、カルボン酸、sp3 アミン)を行う。(2)それらの酸性残基にイオン交換法によりアルカリイオンをドープする。本年度は、アルカリイオンのドープ方として、配位高分子の骨格を還元することでドープすることを目指した。種々の配位高分子について検討した結果、いくつかのものは、骨格を還元することでイオンの取り込みが行われていることが示唆された。更にイオン種を変化させると、還元・再酸化のピークセパレーションが大きく変化することが分かり、イオン種によるイオン伝導性に差が現れることが明らかになった。 またこれらの結果をまとめることで、それにより一流紙への論文投稿がなった(J. Am. Chem. Soc.誌6報、 Angew. Chem.誌1報、Chem. A. J.誌1報など)。 さらにこれらの研究成果により各学会などから賞を頂いた。
|