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2011 年度 実績報告書

ケイ素配位子を持つ鉄錯体による窒素分子の捕捉とヒドラジンへの変換反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22750055
研究機関九州大学

研究代表者

砂田 祐輔  九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (70403988)

キーワード鉄 / 窒素固定 / ケイ素配位子 / ヒドラジン / 窒素分子捕捉 / キレート型配位子
研究概要

温和な条件での窒素分子の捕捉と活性化による化学変換反応の開発は、現代化学において最も重要な課題り一つである。本研究課題では、キレート型ケイ素配位子が鉄中心に強く電子供与し、かつ強固な骨格を与える性質に注目し、キレート型ケイ素配位子を持つ鉄錯体を用いた窒素分子の捕捉・活性化を達成することを目的とした研究を行った。
前年度までに、キレート型ケイ素配位子として1,2-bis(dimethylsilyl)benzeneを持つ鉄錯体ユニット2つが窒素分子を捕捉した二核錯体[(η^6-benzene)Fe(Si)_2]_2(μ-N_2)(Si)_2=dimethylsilylbenzeneを合成することに成功している。
本年度は、鉄上の電子密度の精密制御を目的とし、様々なη^6-arene配位子を有する鉄錯体の構築と窒素分子の捕捉を行った。まず、窒素架橋鉄二核錯体に対し水素分子を反応させ、対応する単核鉄ジヒドリド錯体(η^6-benzene)Fe(Si)_2(H)_2へと変換した。この錯体を各種arene溶媒中で加熱することで、様々なη^6-areneを有する一連の錯体(η^6-arene)Fe(Si)_2(H)_2へと変換した。さらにこの錯体は、CO雰囲気下で加熱することで(η^6-arene)Fe(Si)_2(CO)へと変換でき、引き続く高圧水銀灯による光照射により、目的とした窒素架橋二核錯体[(η^6-arene)Fe(Si)_2]_2(μ-N_2)(arene=mesitylene,p-cymene,C_6Me_6,etc)へと変換できることを見出した。得られた錯体について、IR,Ramanスペクトルの結果、鉄上に電子供与性の強いη^6-arene配位子を持つ錯体において、窒素分子がより強く捕捉・活性化されることが分かり、窒素分子の変換には電子豊富な鉄錯体の構築が重要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] New catalyst systems for iron-catalyzed hydrosilane reduction of carboxamides2011

    • 著者名/発表者名
      H.Tsutsumi, Y.Sunada, H.Nagashima
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 47 ページ: 6581-6583

    • DOI

      10.1039/C1CC10636H

    • 査読あり
  • [学会発表] トリアザシクロノナン配位子を有する単核鉄錯体の合成と原子移動型ラジカル重合反応活性の相関2012

    • 著者名/発表者名
      中西崇一朗・砂田祐輔・河村充展・甲斐英知・笹本茜・小池展行・早川均・金仁華・永島英夫
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] ルテニウムカルボニル錯体によるアミド化合物のヒドロシラン還元2011

    • 著者名/発表者名
      井上諒子、砂田祐輔、永島英夫
    • 学会等名
      第15回ケイ素化学協会シンポジウム
    • 発表場所
      兵庫
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] 配位不飽和性を示すキレート型ケイ素配位子を持つ鉄錯体の開発2011

    • 著者名/発表者名
      砂田祐輔、今岡剛、永島英夫
    • 学会等名
      錯体化学会第61回討論会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2011-09-19
  • [学会発表] 高活性鉄7核カルボニル錯体によるアミド化合物の還元反応2011

    • 著者名/発表者名
      堤大典、砂田祐輔、永島英夫
    • 学会等名
      第58回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      愛知
    • 年月日
      2011-09-08

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公開日: 2013-06-26  

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