研究課題
本研究は,ポンプやバルブなどの周辺機器も含めて真にポータブルな表面プラズモン共鳴(SPR)センサを開発することを目的として,コンパクトディスク(CD)上に作製した多数のマイクロチャネルに,遠心力を利用して試薬と試料を導入し,試料中の各成分をマイクロチャネル内壁に固定した種々のレセプタータンパク質との相互作用により分離した後,ナノアレー構造体を利用するSPRセンサにより検出する,新規SPRセンサを開発するものである。本年度は,昨年度に引き続きセンサチップの作製方法について検討した。すなわち,ポリスチレンナノビーズの懸濁液を半硬化状態のPDMS基板上に滴下し,一定温度・湿度下で乾燥させることにより規則配列3次元ナノビーズ構造体を作製した。次に,作製した3次元構造体を超音波洗浄することにより,規則配列2次元ナノビーズ構造体を作製した。さらに,この構造体上に金薄膜を蒸着し,透過型SPRセンサ用センサチップを作製した。このときの作製条件を詳細に検討することにより,規則的なナノ構造体を有するセンサチップを作製することに成功した。このセンサチップを用いるSPR測定では,スペクトルによる共鳴波長の変化を測定する方法を用いており,共鳴角度の変化を測定する市販のSPRセンサとは原理が異なる。そこで,屈折率が既知の標準溶液を用いて屈折率と共鳴波長との関係を測定し,本研究で開発するセンサの信号を市販のSPRセンサの共鳴角度と比較して校正した。これにより,センサの標準化を行った。また,前年度までに開発した遠心力を利用する送液システムおよびSPR光学系を改良し,送液の安定性,感度および分解能の性能,チャネル間の均一性等の問題点を解決した。さらに,開発したセンサを用いる免疫測定について検討し,ストレスマーカーの一種であるイムノグロブリンAの測定に成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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