シリコーン骨格ポリロタキサンにより環動性を有する有機-無機ハイブリッド材料の創製

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22750099
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 高分子化学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 加藤 和明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特任助教 (80570069)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: ポリロタキサン / 環動性 / 有機・無機複合材料 / ミセル / 環動ゲル / スライディ ング転移 / エントロピー / 粘弾性緩和

研究概要

有機成分と無機成分の相対的位置変化が可能な革新的な有機-無機ハイブリッド材料の創成を目指し、前駆体であるポリロタキサン溶液の構造解析を行い、一分子内での各成分の分布を明らかにした。この凝集形成に及ぼす末端封鎖基の効果を調べるため、ポリロタキサンの新規合成法を開発した。合成法開発の結果得られた新規ポリロタキサンを架橋した環動材料の粘弾性測定より、各成分の相対位置変化に相当するダイナミクスを初めて捉え、環動材料の弾性の起源に関する新たな知見を得た。

研究成果

• [雑誌論文] Viscoelastic Properties of Slide-Ring gels Reflecting Sliding Dynamics of Partial Chains and Entropy of Ring Components, (2013)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato, Takaaki Yasuda, Kohzo Ito.
  • 雑誌名: Macromolecules 巻: 46 ページ: 310-316
  • 査読あり
• [雑誌論文] Polymer networks characterized by slidable crosslinks and the asynchronous dynamics of interlocked components (2013)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato and Kohzo Ito.
  • 雑誌名: Reactive &Functional Polymer 巻: 73 ページ: 405-412
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular Design of Slide-Ring Materials based on the Diversity of the Backbone Polymers (2012)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato and Kohzo Ito.
  • 雑誌名: 有機合成化学協会誌 ページ: 517-523
  • 査読あり
• [雑誌論文] DynamicTransition between Rubber and Sliding States Attributed to Slidable Cross-Links (2011)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato and Kohzo Ito.
  • 雑誌名: Soft Matter 巻: 7 ページ: 8737-8740
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Versatile Synthesis of Diverse Polyrotaxanes with a Dual Role of Cyclodextrin as both the Cyclic and Capping Components (2010)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato, Hiroshi Komatsu, Kohzo Ito.
  • 雑誌名: Macromolecules 巻: 43 ページ: 8799-8804
  • 査読あり
• [学会発表] 環動ゲルの粘弾性緩和と弾性率の架橋密度依存性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第60回レオロジー討論会
  • 発表場所: 名古屋大学東山キャンパス
  • 年月日: 2012-09-27
• [学会発表] 環動ゲルにおけるダイナミク スと弾性率の架橋密度依存性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第61回高分子討論会
  • 発表場所: 名古屋工業大学
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] 環動ゲルにおけるスライドの ダイナミクスと粘弾性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第61回高分子年次大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2012-05-29
• [学会発表] 環動ゲルにおけるスライドの ダイナミクスと粘弾性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第9回ホスト・ ゲスト化学シンポジウム
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-05-27
• [学会発表] スライディング転移における 部分鎖拡散のダイナミクス (2011)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第12回リン グ・チューブ超分子研究会シンポジウム
  • 発表場所: 大阪大学豊中キャンパス
  • 年月日: 2011-11-01
• [学会発表] 環動ゲルにおける力学緩和と特異な弾性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第59回レオロジー討論会
  • 発表場所: 金沢市文化ホール
  • 年月日: 2011-10-07
• [学会発表] 架橋点のスライドに起因する 粘弾性緩和と新たな弾性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第60回高分子討論会
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 2011-09-29
• [学会発表] 主鎖骨格の化学修飾によるポ リロタキサン及び環動高分子材料の多様化 (2011)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第28回シクロデキストリンシンポジ ウム
  • 発表場所: 秋田ビューホテル
  • 年月日: 2011-09-08
• [学会発表] 環動ゲルにおける力学緩和と スライディング弾性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第1回ソフトマター研究会
  • 発表場所: キャンパスプラザ京都
  • 年月日: 2011-08-03
• [学会発表] スライディング転移 ～環動 ゲルにおける粘弾性緩和機構～ (2011)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第60回高分子学会年次大会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
  • 年月日: 2011-05-26
• [学会発表] Organic-inorganic hybrid slide-ring gels prepared from a novel silicone-based polyrotaxane (2010)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: Pacifichem 2010
  • 発表場所: ホノルル、米国
  • 年月日: 2010-12-17
• [学会発表] 高汎用性の新規末端封鎖法に よるシクロデキストリンポリロタキサンの合成 (2010)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第59回高分子討論会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2010-09-16
• [学会発表] シリコーン骨格ポリロタキサ ンの凝集構造 (2010)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第27回シクロデキストリンシンポジウム
  • 発表場所: 金沢市文化ホール
  • 年月日: 2010-09-07
• [学会発表] シリコーンとシクロデキストリンから成るポリロタキサンの凝集構造 (2010)
  • 著者名/発表者名: 加藤和明
  • 学会等名: 第59回高分子年次大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2010-05-28
• [図書] Synthesis and Properties of Slide-Ring Gels Polymeric and Self Assembled Hydrogels: From Fundamental Understanding to Applications", X. J. Loh and O. A. Scherman, Eds. (2013)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato and Kohzo Ito.
  • 総ページ数: 262
  • 出版者: The Royal Society of Chemistry, Cambridge UK
• [図書] Slide-Ring Materials Using Polyrotaxane. Supramolecular Polymer Chemistry (2012)
  • 著者名/発表者名: Kazuaki Kato and Kohzo Ito.
  • 総ページ数: 372
  • 出版者: Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA
• [備考]
  • URL: http://www.molle.k.u-tokyo.ac.jp/publication/index.html
• [産業財産権] 新規ポリロタキサン及びその製造方法 (2012)
  • 発明者名: 伊藤耕三、 加 藤和明 、井上勝成、 工藤成史
  • 権利者名: 伊藤耕三、 加 藤和明 、井上勝成、 工藤成史
  • 産業財産権番号: 特許 2012-256437
  • 出願年月日: 2012-11-22
  • 外国
• [産業財産権] ポリロタキサンの合成方法及び新 規ポリロタキサン (2010)
  • 発明者名: 伊藤耕三、 加 藤和明
  • 権利者名: 東京大学
  • 産業財産権番号: 特許 特願 2010-168846
  • 出願年月日: 2010-07-28
  • 外国