研究の目的:マイクロリンクルのストライプ凹凸構造における不規則構造であるトポロジカル欠陥の時空間配置を外部応力で制御する。 22年度計画:欠陥構造の静的性質を表面材料や作製方法を変えて調査する。 成果:本年度は、まず等方的な平面圧縮場における複雑な迷路状の欠陥構造をそのストライプパターンの統計的性質を調べることを行った。 まず円筒状のシリコーンゴム基板を用意し、その円形の平滑表面に対して金属薄膜を蒸着により形成する。この表面に等方圧縮を加えるために、光彩絞り機構に基づいた等方圧縮装置を作製する。その後圧縮を加えることで迷路状の周期1μ程度のマイクロリンクル表面を得る。このパターンを光学顕微鏡にて観察し、電子画像を計算機に取り込み、解析を行う。解析はストライプ方向の空間相関について行った。その結果、ストライプ方向はそのストライプの向きに対して45度方向に対して優位は空間相関があることが見出された。この結果は、共同研究者の理論解析およびシミュレーションによっても得られ、数あるストライプ構造でもこのマイクロリンクルの系に特徴的な結果であることが解かり、共同研究者とともに論文で発表した。この結果はすなわち、欠陥構造についても関連して同様な方向相関性があることの証拠であるが、その欠陥についての解析(密度、欠陥の種類、欠陥の異方性極性、空間相関性など)は引き続き調査中であり、特徴を上手く抽出する評価法を検討中である。
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