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2011 年度 実績報告書

“DNAドット"を活用した高感度ラベル化法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22750149
研究機関名古屋大学

研究代表者

樫田 啓  名古屋大学, 工学研究科, 講師 (30452189)

キーワードDNA / 電子移動 / インスレーター / シクロヘキサン / 蛍光 / 人工塩基対 / NMR / 量子収率
研究概要

本年度では、前年度開発したインスレーター(イソプロピルシクロヘキサン)を用いて、様々な蛍光性DNAプローブの高輝度化を目指した。まず、環境応答性色素であるナイルレッドをDNAに導入し、色素-核酸塩基間にインスレーターを導入することによって、ナイルレッドの高輝度化を図った。その結果、インスレーターを導入せずナイルレッドのみを導入した配列では、弱い蛍光しか観察されなかった。それに対し、インスレーターを核酸塩基と色素との間に導入したところ、ナイルレッドの発光が12倍増大した。また、その際ナイルレッドの発光波長は水中でのモノマーの値と比較してほとんど変化し-なかったことから、疎水的なインスレーターを導入しているにもかかわらず、色素周囲の環境は親水的であることが分かった。以上のことから、観察されたインスレーター導入による蛍光色素の高輝度化は、疎水的環境が原因ではなく、核酸塩基との電子移動を抑制することによるものであることが明らかとなった。
更に、より汎用性の高い色素であるFITCについてもインスレーター導入による高輝度化について検討した。FITCは核酸のラベル化において非常によく用いられているが、核酸塩基(特にグアニン)との電子移動によって消光することが知られている。そこで、FITCを末端た導入した配列についてインスレーターを導入した効果を調べた。その結果、FITC-核酸塩基間にインスレーターを二分子導入することによってFITCの蛍光強度を3倍以上増大させることに成功した。このようにインスレーターに-よる高輝度化はFITCのような汎用性の高い蛍光色素であっても有効であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Preparation of supramolecular chromophoric assemblies using a DNA duplex2012

    • 著者名/発表者名
      H. Kashida and H. Asanuma
    • 雑誌名

      Phys. Chem. Chem. Phys

      巻: 14 ページ: 7196-7204

    • DOI

      DOI:10.1039/C2CP40520B

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cyclohexyl "base pairs" stabilize duplexes and intensify pyrene fluorescence by shielding it from natural base pairs2011

    • 著者名/発表者名
      H.Kashida, K.Sekiguchi, H.Asanuma
    • 雑誌名

      Org.Biomol.Chem.

      巻: 9 ページ: 8313-8320

    • DOI

      10.1039/clob06325a

    • 査読あり
  • [学会発表] インスレーターを用いた蛍光標識核酸プローブの高輝度化2012

    • 著者名/発表者名
      東山尚史・関口康司・樫田啓・浅沼浩之
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(神奈川県)
    • 年月日
      20120325-20120328
  • [学会発表] DNA二重鎖内部における蛍光色素のエネルギー移動に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      加藤智博・樫田啓・浅沼浩之
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(神奈川県)
    • 年月日
      20120325-20120328
  • [学会発表] Design of novel artificial base pairs for the enhancement of fluorescence2011

    • 著者名/発表者名
      H.Kashida, K.Sekiguchi, T.Kato, H.Asanuma
    • 学会等名
      The 38th International Symposium on Nucleic Acid Chemistry
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      20111109-20111111
  • [学会発表] 蛍光色素の高輝度化を目指した新規人工塩基対の開発2011

    • 著者名/発表者名
      加藤智博・関口康司・樫田啓・浅沼浩之
    • 学会等名
      第5回バイオ関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県)
    • 年月日
      20110912-20110914
  • [学会発表] インスレーターを利用した、高輝度FITC標識核酸プローブの開発2011

    • 著者名/発表者名
      東山尚史・関口康司・樫田啓・浅沼浩之
    • 学会等名
      第5回バイオ関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県)
    • 年月日
      20110912-20110914
  • [学会発表] 蛍光色素の高輝度化を目指した新規人工塩基対の開発2011

    • 著者名/発表者名
      樫田啓・関口康司・浅沼浩之
    • 学会等名
      第21回バイオ・高分子シンポジウム
    • 発表場所
      関西大学(大阪府)
    • 年月日
      20110725-20110726
  • [学会発表] インスレーターを用いたFITC標識核酸プローブの高輝度化2011

    • 著者名/発表者名
      東山尚史・関口康司・樫田啓・浅沼浩之
    • 学会等名
      第21回バイオ・高分子シンポジウム
    • 発表場所
      関西大学(大阪府)
    • 年月日
      20110725-20110726
  • [学会発表] Development of Insulator Base Pairs for the Drastic Enhancement of Quantum Yield2011

    • 著者名/発表者名
      H.Kashida, K.Sekiguchi, H.Asanuma
    • 学会等名
      XVth Symposium on Chemistry of Nucleic Acid Components
    • 発表場所
      Cesky Krumlov
    • 年月日
      20110605-20110610

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公開日: 2013-06-26  

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