申請者らは、代謝産物が生体高分子の安定化、活性化に及ぼす作用機構を解明するために、代謝産物の特徴的な構造であるベタイン構造を有するアナログを合成し、それらが溶解した溶液の物性を調べた。その結果、ベタイン誘導体を水に溶解させると、両親媒性で電荷を有するにも関わらず、これらの化合物はモノマー状態として溶液に分散していることが明らかとなった。また、溶液に溶解すると構造に依存して、蒸気圧、誘電率、密度などを変化させ、その変化の割合は生体高分子の安定化や活性化の序列と一致することが明らかとなった。一方で、生体高分子との直接的な相互作用は確認されず、このような溶媒の物性変化が安定化や活性化に影響を及ぼしていることが強く示唆された。
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