本年度は、1)試料精製・キャラクタリゼーション2)顕微鏡観察系の確立および3)均一系における結晶核生成・成長過程の研究を計画とした。課題1に関しては、市販の粒径300nmのシリカ粒子およびポリスチレン粒子を透析・イオン交換法により精製し、電気伝導度法により粒子表面電荷を決定した。また、動的光散乱法により粒径を決定し、観察する試料の準備を行った。課題2に関しては、倒立顕微鏡試料を用いて温度調節しながら、コロイド試料の一粒子観察が可能となった。しかしながら、観察過程においてi)荷電コロイド結晶がイオン性不純物による融解すること、およびii)コロイド粒子として用いたシリカおよびポリスチレン粒子と媒体である水との屈折率差が非常に小さく、コントラストの高い画像を得ることが非常に困難であること、の2つの問題点が生じた。特に問題点2に関しては、画像の正確な解析を非常に困難にする。そこで、より高粒子濃度で結晶化する剛体球系の結晶化についても併せて検討を行うこととした。このため、新たにマイクロゲル球による結晶化も検討を開始した。
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