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2010 年度 実績報告書

光機能性バルクシリカガラスの液相合成法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 22750190
研究機関首都大学東京

研究代表者

梶原 浩一  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (90293927)

キーワードシリカガラス / 液相合成法 / 光機能化
研究概要

シリカガラスは広い透明領域、高い強度と化学的耐久性を併せ持つ優れた光学材料であり、希土類イオンなどの発光中心をドープすることで、ファイバーレーザーなどの機能性発光材料が実現されている。しかし、シリカガラスは希土類イオンを溶解しにくく、それらの凝集が起こりやすいため、希土類イオンの高濃度ドープによる小型化・高性能化は困難である。本研究者らは最近、液相合成法の一種であるゾル-ゲル法によって試薬使用量の削減と合成時間の短縮が可能であることを示してきた。この手法を発展させ、希土類イオンが高濃度均一分散したシリカガラスの合成、発光強度を減少させる大きな原因となるSiOH基の低減、フッ化物との複合材料であるフッ化物ナノ結晶ドープシリカガラスの合成、などに取り組んだ。リンは、希土類イオンを溶媒和し、そのシリカガラスへの溶解を促すことが知られていたが、前駆体溶液中で希土類イオンと反応して沈澱を生じることが多く、希土類-リン共ドープシリカガラスの液相合成例はこれまでなかった。今回、POH基を含まない化合物をリン源とすることで沈澱生成を抑制し、希土類イオンをSiに対して2at.%と高濃度に含むシリカガラスの液相合成に成功した。緑色の発光を示すTb^<3+>イオンドープガラスでは、Tb^<3+>イオン濃度に比例して発光強度が増大したことから、濃度消光の影響は小さく、希土類イオンが均一分散していることが示唆された。あわせて、この手法はNd^<3+>, Ho^<3+>, Er^<3+>Eu^<3+>イオンなど、他の希土類イオンを含むシリカガラスの作製に一般化できることを示した。また、液相フッ素ドープによって、気相合成法によるシリカガラスにほぼ匹敵する低SiOH基濃度のフッ素ドープシリカガラスが得られること、従来の手法に比べて大幅に短い時間でアップコンバージョン蛍光体であるEr^<3+>ドープLaF_3ナノ結晶ドープシリカガラスが合成できることを示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Sol-gel synthesis of fluorine-doped silica glasses with low SiOH concentrations

    • 著者名/発表者名
      R.Maehana, S.Kuwatani, K.Kajihara., K.Kanamura
    • 雑誌名

      J.Ceram.Soc.Jpn.

      巻: (掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 希土類-リン共ドープシリカガラスのゾル-ゲル合成と発光特性2011

    • 著者名/発表者名
      梶原浩一、前花亮平、桑谷俊伍、金村聖志
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      神奈川工科大学、神奈川
    • 年月日
      2011-03-25
  • [学会発表] 希土類-リン共ドープシリカガラスのゾル-ゲル合成と発光特性2011

    • 著者名/発表者名
      桑谷俊伍、梶原浩一、金村聖志
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2011年年会
    • 発表場所
      静岡大学、静岡
    • 年月日
      2011-03-16
  • [学会発表] 無共溶媒ゾル-ゲル法とトリフルオロ酢酸塩の熱分解によるLaF_3ナノ結晶ドープシリカガラスの合成2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木琴美、永山修平、梶原浩一、金村聖志
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2011年年会
    • 発表場所
      静岡大学、静岡
    • 年月日
      2011-03-16
  • [学会発表] Sintering behavior of sol-gel derived monolithic silica glasses doped with LaF_3 nanocrystals2011

    • 著者名/発表者名
      S.Nagayama, K.Kajihara, K.Kanamura
    • 学会等名
      第49回セラミックス基礎科学討論会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター、岡山
    • 年月日
      2011-01-11
  • [学会発表] Sol-Gel Synthesis of Nanocrystalline LaF_3 Doped Monolithic Silica Glasses from Solutions Containing Hydrofluoric Acid2010

    • 著者名/発表者名
      S.Nagayama, K.Kajihara, K.Kanamura
    • 学会等名
      3rd International Congress on Ceramics
    • 発表場所
      グランキューブ大阪、大阪
    • 年月日
      2010-11-15
  • [産業財産権] 金属元素ドープシリカガラスおよびその製造方法2011

    • 発明者名
      梶原浩一, 他4名
    • 権利者名
      首都大学東京
    • 産業財産権番号
      特願2011-016831
    • 出願年月日
      2011-01-28

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公開日: 2012-07-19  

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