エステル交換反応を介した絡み合い解消がシシ構造形成に及ぼす影響を解明するために、主鎖上のエステル基密度を変えた試料(ポリ乳酸; PLLA、poly(12-hydroxydodecanoic acid); PHDAおよびpoly(16-hydroxyhexadecanoic acid); PHHA)を用いてその影響を検討した。その結果、PLLAではエステル交換反応頻度の増加とともに飽和シシ生成密度νshが減少した。一方、PHDAのシシ生成速度IはPHHAのそれに比べて小さいことがわかった。これは、前者は後者に比べエステル交換反応の頻度が高いことに対応している。以上から、エステル交換反応を介した絡み合い解消がポリエステル類のシシケバブ構造形成を大きく抑制することがわかった。
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