研究課題
市販されているシリコン太陽電池の変換効率は約20%であり、変換効率のさらなる向上が求められている。太陽電池の変換効率を高くするためには、結晶欠陥発生を抑制することが必要である。本研究は、変換効率を向上させるために、偏析係数の大きなGeに注目し、(1)BとGeの添加がSi結晶中のボイド欠陥形成および光照射による結晶品質劣化に及ぼす効果を明らかにすること及び(2)GaをドープしたSi_<1-x>Ge_x結晶の偏析現象、欠陥発生機構及び寿命に対するGe組成の効果を明らかにすることを目的とした。本年度はBとGeの添加がSi結晶中のボイド欠陥形成等に及ぼす効果を調べた。チョクラルスキー成長法により、BとGeを添加したSi種結晶を成長させた。全ての結晶においてB濃度は1×10^<16>atoms/cm^3に固定し、Ge添加量を0から1×10^<21>atoms/cm^3の範囲で変化させた。BとGeを添加することで、ボイド欠陥密度が低下した。また、少数キャリアライフタイムとSi結晶中のGe濃度の関係を調べた結果、Geを添加することで少数キャリアライフタイムが大きくなった。本研究により、BとGeを添加したSi結晶は、ボイド欠陥の形成を抑制でき、かつ、光照射の劣化がおこりにくいことが実証された。1,500℃まで加熱できるSi_<1-x>Ge_x結晶成長用の電気炉を購入し、電気炉の温度分布を測定した。Si種結晶/GaドープGe/Si供給原料から構成される試料を用いて、様々な成長温度でSi_<1-x>Ge_x結晶成長を実施した。1,100℃で100時間保持することで長さ15mm、直径18mmのSi_<1-x>Ge_x結晶を成長させた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (15件) 産業財産権 (1件)
J.Crystal Growth
巻: 318 ページ: 324-327
巻: 321 ページ: 24-28
巻: 312 ページ: 2677-2682
巻: 312 ページ: 2865-2870
AIP conference proceedings
巻: 1313 ページ: 45-51