本研究はワイドギャップ半導体材料である窒化ガリウム(GaN)の結晶構造における非対称性に着目し、結晶構造の裏表となる極性を制御する手法の開発に取り組んだ。結晶成長における再表面の状態が重要であることから、結晶成長最表面の処理方法を検討することにより、任意の選択領域に異なる極性面を成長する方法を開発した。更に、成長途中においてMg原子を表面吸着させることによって極性が入れ替わる現象についても詳細な検討を行い、Mg偏析層が極性反転の起因となっていることを明らかにした。これらの研究成果により、GaNを用いた三次元構造デバイスの作製が期待でき、新しい機能デバイスの可能性が示唆された。
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