本年度は空間分解能評価を目指して、軟X線レーザーをより1ミクロン程度に集光しその発光パターンを撮影した。実験は、Ni様Agイオンプラズマからの波長13。9nmの軟X線レーザーを所有する日本原子力研究開発機構関西光科学研究所で行った。実験には、厚さは1mm、縦横は10mm四方で両面研磨したZnO結晶を用いた。 励起光である軟X線レーザーはフレネルゾーンプレートでZnO表面に集光される。その結果生じる励起子の発光パターンをシュバルツシルトミラー(Ealing社製25-0514、N.A:0.40、焦点距離:8.Omm、ワーキングディスタンス:14.5mm、倍率:25)、カメラ用レンズ(UV NIKKOR、 F値:4。5、焦点距離:105mm)、EB-CCDカメラ(浜松ホトニクス製C7190、画素数:512(H)x512(V)pixels、ピクセルサイズ:24(H)x24(V)mm/pixel)で構成される拡大光学系で撮影した。その結果、発光パターンのシングルショット撮影に成功した。さらに、この拡大光学系に2枚のレンズ(焦点距離30cmと10cm)で構成されるテレスコープを組み込み像を拡大した。その結果、発光パターン径は水平方向が5.0μm、垂直方向が4.7μmであった。見積もられるスポット径との差は拡大光学系の空間分解能で制限されており、テレスコープとして組み込むレンズの組み合わせを変えることでサブミクロン程度の空間分解能は実現できることを明らかにした。
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