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2012 年度 実績報告書

潜在的経年劣化事象を考慮した低炭素ステンレス鋼溶接部におけるSCC停留モデル確立

研究課題

研究課題/領域番号 22760070
研究機関東北大学

研究代表者

阿部 博志  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30540695)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード応力腐食割れ / 低温時効 / オーステナイト系ステンレス鋼 / 溶接金属 / δーフェライト
研究概要

本研究の最終的な目的は、沸騰水型軽水炉の低炭素ステンレス鋼溶接部における応力腐食割れ(以下、SCC)を対象として、溶融境界近傍の微視組織ならびに低温時効が高温水中SCC進展挙動に与える影響を明らかにし、実機健全性評価の基礎となるSCC停留モデルを確立することである。
今年度は、SUS316L溶接試料を対象として、400℃ならびに475℃における時効硬化挙動を評価した。310℃ならびに335℃における時効データと比較することで、δ相の低温時効劣化速度と活性化エネルギーを求め、硬化挙動予測を行った。310-400℃の温度範囲における活性化エネルギーは80.9kJ/molと算出され、288℃における硬化速度を0.0120HV/h(105HV/y)と予測した。硬化の潜伏期間の解釈ならびに時効温度依存性については、今後引き続き検討が必要であるものの、これまでの研究結果と併せて考えると、δ-フェライトのスピノーダル分解による硬化が直ちに高温水中SCCを加速させる可能性は低いと考えられた。
昨年度に引き続き、高周波誘導加熱を用いてδ相分布密度の異なるSUS316L試料を作製し、δ相分布形態に及ぼす熱処理最高温度、最高温度保持時間、冷却速度の影響を評価した。さらに、上記で作製したδ相晶出試料について高温水中SCC挙動を評価し、δ相との関連を調査した。溶接熱模擬条件とそれより低い冷却速度(50℃/s)では、δ相分布形態に明確な違いは認められなかった。粒界上島状δ相分布組織の作製においては、最高温度が最も重要なパラメータであることが示唆された。一方で、SCCき裂はδ相晶出部以外においても一様に発生していたことから、δ相晶出以外の要因がSCCき裂発生感受性を高めた可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 316系低炭素ステンレス鋼溶接金属のBWR炉水温度域における熱時効脆化の評価2012

    • 著者名/発表者名
      阿部 博志
    • 学会等名
      日本保全学会 第9回学術講演会
    • 発表場所
      一橋大学 一橋講堂
    • 年月日
      20120725-20120727
  • [学会発表] オーステナイト系低炭素ステンレス鋼溶接金属のBWR温度域における熱時効脆化の評価2012

    • 著者名/発表者名
      寺尾 俊彦
    • 学会等名
      日本機械学会 第17回動力・エネルギー技術シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学 病院キャンパス・百年講堂
    • 年月日
      20120621-20120622

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公開日: 2014-07-24  

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