研究課題
前年度までの結果にもとづき,天然繊維強化バイオマスプラスチックの疲労機構の検討を引き続き実施した.また天然繊維はアルカリ処理を実施することにより,高強度化,高伸び率,母材樹脂との接着性の改善が生じることが知られており,複合材料製作に際しアルカリ処理をした天然繊維が用いられることも多い.そこで本研究では,アルカリ処理の有無が繊維の疲労特性に及ぼす影響について比較検討を実施した.さらに,アルカリ処理の有無が複合材料の疲労特性に及ぼす影響についても検討した.まず繊維単体の疲労強度に関しては,繊維引張強度で規格化した場合にはアルカリ処理の影響は小さいことを確認した.また疲労負荷の過程において,繰返し数の増加に伴い,素繊維の界面ならびに素繊維自体に損傷が発生・進展して最終破断に至ることを確認した.次に複合材料の疲労機構の検討とアルカリ処理の影響を検討するために,シングルファイバーコンポジットとバルク複合材料の疲労試験を実施した.その結果,複合材料の疲労強度は繊維の疲労強度に支配されていることと,アルカリ処理が繊維/樹脂界面強度に影響を及ぼすため,アルカリ処理が複合材料の疲労損傷の蓄積過程に影響を及ぼすことを確認した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本複合材料学会誌
巻: 39(1) ページ: 24-30
10.6089/jscm.37.203
Advanced Composite Materials
巻: Vol.21, No.1 ページ: 1-10