研究課題/領域番号 |
22760076
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 洋介 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80509521)
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キーワード | 3次元応力場計測 / RPモデル / ホログラフィ計測 / HDPTV / ホログラム |
研究概要 |
本年度は実用化に向けた研究を実施した。まず、粒子分散透明樹脂を円柱状に加工して、電磁石によって屈折率調整液を満たした容器内で回転させた。この回転によって完全な3次元剛体流れ場を実現することが可能となり、校正流れ場として利用できる。この研究では、一般的な2次元粒子画像流速測定法で、校正流れ場によって剛体回転場が得られていることを確認した。さらに、ホログラフィック粒子追跡流速法を用いて3次元剛体流れ場も観測して、その有用性を確認できた。また、前年度実施した流体と構造体の個別認識を発展させるために、流体と構造体の3次元連成運動を計測した。観測対象は高速増殖炉もんじゅで起きたナトリウム漏洩火災事故の原因となった、渦を放出する円柱が流れ方向に振動する現象である。この現象を模擬できる装置によって、円柱周囲の3次元速度場と円柱の流れ方向への振動を観測した。このことより、3次元応力場計測だけでなく、3次元連成運動にも適用可能であることを示すことができた。最後に、複雑な境界を持つ遠心ポンプ内の3次元速度場計測をホログラフィック粒子追跡流速法と屈折率調整法で実施した。この観測結果から、従来では観測が困難であった羽根車周囲の3次元速度場が可能となり、ポンプ設計・開発に対して有用な実験手法が提案できた。遠心ポンプは透明アクリル樹脂製で、仮想設計環境(CAD/CAM)によって得られた3次元データを基にNCマシンで加工されている。このことからも、仮想設計環境を援用するポンプ設計・開発に役立つ事がわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終年度に向けて、実用化に必要な各項目を達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度達成した各項目をまとめて、本研究課題を達成する。
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