本研究の目的は、従来の静荷重に限定される3次元光弾性に対して、開発を進めている動荷重下の3次元応力場計測が可能な「粒子分散透明樹脂で作成したRPモデルの高精度3次元応力場計測の実用化」である。本年度は複雑形状モデルとして、遠心ポンプ内で回転するブレードの応力計測を試みた。仮想設計環境(CAD/CAM)を利用して、NC工作機械によって透明アクリル樹脂から複雑形状を持つポンプケースとブレードを作成した。ブレードには100μm程度の微小粒子を塗布し、100rpm時の形状を基準として、1100rpmまでのブレード変形を塗布した粒子位置の移動から計測した。各回転数における粒子像はディジタルインラインホログラフィ法により記録・再生し、粒子位置からブレードの変形を計測することが可能であることを示せた。その際、作動流体に屈折率調整液を使用して、屈折率差による像のゆがみを抑制できた。本研究結果から3次元応力計測が充分に可能であることも示せた。
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