研究概要 |
本研究では,急斜面や高アスペクト比構造を持つマイクロ部品の3次元形状評価方法の開発を目的とする.そこで,マイクロ部品の3次元形状を評価するため,ゼロアッベ誤差の高精度高汎用性nano-CMM(ナノ3次元座標測定器:nano-Coordinate Measuring Machine)を開発する.接触型CMMの場合,測定対象の表面と接触し表面形状を読み取るプローブの精度がCMMの測定精度の大きく影響する.特にnano-CMMの場合は数mm程度以下の小さいものを測定対象とするので,プローブのサイズもそれに伴い小さくなる.そこて,本研究ではnano-CMMのプローブとしては特殊にデザインした先端形状を持つ直径5μmの光ファイバを用いて直径8μmのマイクロ球をレーザトラッピングし,トラッピングしたマイクロ球をプローブとして利用する光ファイバトラッピングプローブを利用する. 本年度は開発するnano-CMMの性能向上のため,接触センサーとして利用する光ファイバトラッピングプローブの性能向上に関する研究を行った.光ファイバトラッピングプローブは光ファイバ先端から再入射する光量を信号として利用するが,再入射する光にはプローブ表面からだけではなく測定対象の表面から反射した光も光ファイバ先端から再入射する.そこて,光ファイバの先端から測定対象の表面までの領域全体が計算できるシミュレーションソフトを開発し,測定対象の表面から反射し光ファイバの先端から再入射する光量がプローブ信号の変化を解析することで,プローブ信号の強度変化の原因を明らかにした.
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