研究概要 |
円管に軸力,トルク,内圧を負荷できる試験機において,真応力比を一定に制御するために,試験機の改良を行った.真応力を同定するためには,変形に伴う試験片の形状変化を時々刻々および荷重を測定し,それらをもとに真応力の計算を行う必要がある.そのために,ひずみゲージによるひずみの測定を動ひずみアンプ,AD変換器を介してPC内に取り込めるようにした.データ取り込みプログラムはLabviewを用いた.その他に,ロードセルによって測定された荷重,トルクを同様のシステムによりPCに収録できるようにした.これらの測定値をもとにして時々刻々の真応力を計算し,真応力の現在の値と指令値の比較を行い,指令値に追従するように制御する.試験機の制御には,アクチュエータ(油圧シリンダ,回転ラム)を駆動する油圧の流量をコントロールすることで実現する.それには電磁バルブによる高速ON-OFF切替えによって油圧の流量を調整してアクチュエータ制御した.電磁バルブを切り替える指令は,Labviewによってリレーボードをコントロールして電磁弁への電流のON-OFFを切り替えることで行った.これらの閉ループ回路を構築することで試験片に作用する真応力を任意に制御することが出来る.真応力を制御できることで,任意の変形経路に対する材料の機械的特性を測定することが可能となった.これにより結晶塑性理論の検証および改良のために必要となる実現象の測定が実現される.
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