研究概要 |
円管に軸力,トルク,内圧を同時に負荷できる油圧駆動式の試験機に電磁バルブを搭載することで,パソコンによる自動制御ができるように改良を行った.電磁バルブのON/OFFによる油圧流量のコントロールでは微量の制御が難しいので,油を充填したタンクを電磁バルブと油圧駆動式のアクチュエータの間に組み込み,油圧ポンプから作動油が急激にアクチュエータに流れ込まないような回路にして,アクチュエータの駆動を滑らかにすることが出来た,これによって,試験機の制御を精密に行うことが出来るようになった.機械油を用いた圧力の負荷は,作業環境上好ましい状態ではないので,油圧ポンプによる油圧の力を水圧に変換する仕組みを取り入れて,水圧による試験を実施できるようになった.これによって試験の作業効率が格段に向上した.荷重,トルク,内圧の測定結果をもとに応力を算出し,それに応じてアクチュエータを個々に駆動させる制御回路が完成した.現在,応力経路を既定する試験が実施できるようになった.これまでに,単軸引張試験,単純ねじり試験といった一般的試験に加えて,軸力と内圧を同時に負荷して線形2軸応力を負荷する試験,軸力とねじりを同時に負荷して線形2軸応力を負荷する試験,そして軸力,内圧,ねじりを同時に負荷する3応力成分負荷試験を実施できるようになった.これらの複雑な応力状態での試験において,材料の応力ひずみ関係を計測することで,金属材料の塑性異方性をより一層詳細に計測することが可能となった.
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