• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

熱ナノインプリント樹脂大変形のメッシュフリー解析手法の開発とプロセス最適化

研究課題

研究課題/領域番号 22760095
研究機関東京工業大学

研究代表者

大西 有希  東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (20543747)

キーワード大変形 / 増分形釣合方程式 / 速度形仮想仕事式 / ガラーキンメッシュフリー法 / リゾーニング付き有限要素法 / 熱ナノインプリント
研究概要

研究の2年目にあたる昨年度は解析手法の数学的基盤を確立することに重点を置き,研究実施計画の(4)「内力増分を用いた釣合式の数理的裏付けの獲得」を優先して研究を進めた.その結果,以下の明確な成果を得た.
a)速度形仮想仕事式を起点として増分形釣合方程式を導出し,その数理的裏付けを獲得した.
b)増分形釣合方程式に基づくメッシュフリー大変形解析の定式化を確立させた.
c)増分形釣合方程式を有限要素法に適用し,新しいリゾーニング付き有限要素大変形解析手法を提案した.
当初の計画では上記a)とb)を達成した段階で研究実施計画の(1)~(3)に着手する予定であったが,a)とb)を達成した時点で提案手法がリゾーニング付き有限要素法にも適用可能であることを見出した.有限要素法はメッシュフリー法よりも遥かに実績がある信頼された手法であり,本研究の最終目標である熱ナノインプリント解析においてもリゾーニング付き有限要素法を採用する方のメリットが大きいと判断した.そこで,研究実施計画の(1)~(3)の代わりにc)を実施し,未成熟ながらも基本的なリゾーニング付き有限要素大変形解析が実行可能なプログラムを開発して良好な解析結果を得た.その成果は既存のリゾーニング付き有限要素大変形解析よりも遥かに安定した大変形解析が可能となることを示しており,今後従来法では解析困難な大変形問題に適用可能であると考えられる.大変形問題以外にも亀裂進展問題や切削加工問題等においても安定した解析手法の確立が望まれており,c)の内容はこれらの問題に対するこれまでに無い突破口を示唆するものとなっている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要に記した通り,昨年度は当初の計画には無かった方向に研究を一旦シフトさせた.シフトさせたことにより得られた成果は大きく,来年度以降の研究成果により一層期待が持てる状況となった.しかし,その一方で昨年度に計画した内容の多くが未達成に終わってしまった.

今後の研究の推進方策

研究実績の概要に記したc)の手法を発展させ,増分形釣合方程式に基づくリゾーニング付き大変形有限要素解析手法を確立させることを今後の研究方策とする.昨年度に計画した未達成の内容がさらに先送りされるという問題はあるが,現段階ではc)の手法を確立させることの方がより重量であり,一旦確立されれば昨年度に計画した未達成の内容もよりスマートかつロバストな方法で達成出来るようになると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 内力増分を用いた浮動応力点積分の定式化によるメッシュフリー大変形解析2011

    • 著者名/発表者名
      大西有希, 天谷賢治
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集A編

      巻: 77 ページ: 1656-1670

    • DOI

      doi:10.1299/kikaia.77.1656

    • 査読あり
  • [学会発表] 増分形釣合方程式に基づく大変形有限要素法の定式化2012

    • 著者名/発表者名
      大西有希, 天谷賢治
    • 学会等名
      第61回理論応用力学講演会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20120300
  • [学会発表] 浮動応力点積分メッシュフリー法を用いた大変形弾塑性解析2011

    • 著者名/発表者名
      大西有希, 天谷賢治.
    • 学会等名
      第24回計算力学講演会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      20111000
  • [学会発表] 内力増分を用いた浮動応力点積分の定式化によるメッシュフリー大変形解析2011

    • 著者名/発表者名
      大西有希, 天谷賢治.
    • 学会等名
      第16回計算工学講演会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20110500
  • [学会発表] Meshfree Large Deformation Analysis with Modified Formulation of Floating Stress-point Integration2011

    • 著者名/発表者名
      Yuki ONISHI, Kenji AMAYA, Ryuta IMAI
    • 学会等名
      2nd International Conference on Particle-based Methods
    • 発表場所
      UPC Barcelona, Spain
    • 年月日
      2011-10-26
  • [図書] PARTICLE-BASED METHOD II Fundamentals and Applications2011

    • 著者名/発表者名
      E.Onate, D.R.J.Owen (Eds.)
    • 総ページ数
      全968ページ中12ページの執筆を担当
    • 出版者
      International Center for Numerical Methods in Engineering

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi