• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

水素含有DLC膜の紫外線照射による極表面低摩擦処理手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22760113
研究機関名古屋大学

研究代表者

野老山 貴行  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20432247)

キーワードダイヤモンドライクカーボン膜 / 紫外線照射 / X線光電子分光分析 / 窒化ケイ素球 / トライボロジー / ピンオンディスク摩擦試験
研究概要

水素含有DLC膜極表面の紫外線処理による低摩擦化処理手法開発のため,異なる3種類の波長の紫外線照射によるDLC膜極表面の構造変化の有無の検証,構造変化層の深さに及ぼす紫外線波長,照射時間,照射時の湿度が及ぼす影響を明らかにするため,紫外線照射装置による異なる波長の紫外線照射と,結晶構造がどのように変化したかをXPSにより分析した.その結果,(1)a-C:H膜に254,312および365nmの波長の紫外線を60min照射した試験片を大気中室温,無潤滑下で摩擦した場合,254nmおよび312nm照射試験片では初期摩擦係数が0.1程度で,その後3mで摩擦係数は0.02~0.05程度まで減少し,この低摩擦状態が56mまで安定した.その後摩擦距離が増加すると摩擦係数は徐々に増加し,最終的に摩擦係数はas-depositedと同程度の0.15程度となった.(2)AFMによる紫外線照射面の表面形状測定結果から,紫外線照射による表面粗さの変化はなく,低摩擦化の原因は表面のグラファイトのような構造への変化が考えられる.(3)XPS分析の結果,312および254nmの波長の紫外線照射によりa-C:H膜の表面はグラファイト化していることが明らかとなった.この構造変化は,312nm以下の波長の紫外線によるC-C結合の切断によって引き起こされたものと考えられる.よって,a-C:H膜の大気中摩擦における紫外線照射による低摩擦化は,構造変化していない硬質層に支持された極表面10nm程度のグラファイトのような低せん断層の形成によるものであると推定される.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] The effect of UV irradiation on friction coefficient of DLC and CNx coating2011

    • 著者名/発表者名
      T.Tokoroyama
    • 学会等名
      ICMDT 2011
    • 発表場所
      Hotel Takeshima (in Gamagori)
    • 年月日
      2011-04-26
  • [学会発表] DLC膜の摩擦特性に及ぼす紫外線照射の影響2010

    • 著者名/発表者名
      野老山貴行
    • 学会等名
      日本機械学会2010年度年次大会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2010-09-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi