研究概要 |
本研究目的:生活動作をしながらニューロリハビリ(神経機能回復訓練)を行うために,(1)手ごろな価格,(2)場所を選ばず使用可能,(3)全身動作を安全に補助可能な「モビルスーツ型動作支援ロボット」を設計製作する.本装置により日常生活動作でリハビリし,近赤外分光法,脳磁図・筋雷図を用いて.脳神経科学的,運動生理学的に効果検証し.医学的根拠により新規手法を確立する. ●平成22年度:モビルスーツ型動作支援ロボットの機構部・制御部の設計製作 (1)体幹支援ユニットの製作 体幹前傾起立,体幹直立起立の2通りの方法に使用できる補助機を製作した.本装置はユニット単体でも使用可能であり,モータを使用せず,ガススプリングにより起立・着座を適度な補助力を発生できるものとした.また,人間の前面からの補助タイプ,背面からの補助タイプの2通りを製作した. (2)上肢・下肢・体幹支援ユニットの統合 上肢・下肢ユニットを統合し,また小形制御システムをAPT-LINUX搭載SH4マイコンにて構築した.体幹ユニットは機械設計のみ終了.全身動作制御法を導入する前に,本装置をニューロリハビリ用全身動作入力装置として歩行訓練に使用した.単に下肢ユニットのみの補助では乗り物としての効果はあるが、訓練には腕振り動作の補助があると効果があることを確認した. (3)起立・立脚姿勢補助可能な自動追従リフトの製作 走行リフトを改造し,歩行訓練中の上下動を許容しながら免荷し,歩行訓練者の歩行速度および進行方向に応じてジョイスティックにて追従操作可能なリフトを製作した. ●平成23年度:平成23年度:生活基本動作(起立・着座・歩行・物体把持移動)の筋活動・脳血流変化計測による支援効果の医学的検証 トレッドミル上では,装置に慣れてくると脳活動が低減するが、腕振りがそれを防止してくれる可能性がある.また,見晴らしの良い廊下で実験をすると,腕振りがなくても,補助されていても脳活動が活性化する.腕のリハビリについても同様で,第3者が操作して制御しながらリハビリすると,脳活動は低減するが,たとえ装置に補助されていても自分が操作することにより,活性化する.以上より,リハビリ時のモチベーションが非常に重要であると考えられる.
|