研究概要 |
先進マイクロ・ナノ粒子超音速ジェット加工および環境汚染微粒子浄化おいて基盤技術となる「微粒子攪拌・搬送」に着目し,静電撹搾および反応性プラズマを活用した革新的粒子搬送技術を創出した。本研究により提案された微粒子搬送管(プラズマチューブ)は,円管内壁上に一対の螺旋電極からなるプラズマ発生機構を有し,管壁近傍に発生するDBDプラズマによる誘起流及び放電によって帯電した微粒子に作用する静電気力により,微粒子が攪拌・搬送される。本研究の初年度である平成22年度では,静電攪拌による細管内微粒子の流動性向上のための最適条件の抽出を目指し,「静電場解析と固気混相流動解析とを組み合わせた微粒子流動解析および反応性非平衡プラズマのモデルリング」を行った。搬送ガス流が存在しない場合においてもプラズマアクチュエータ効果による管内誘起流により,粒子が効率よく搬送されるとともに,粒子に直接作用する静電気力により,微粒子攪拌が促進されることが微粒子流動解析により明らかとなった。また,様々な粒径に対する微粒子の軌跡解析を行い,粒径に対する作動条件(搬送ガス流量,印加電圧,周波数等)を最適化することに成功した。さらに,実際にプラズマチューブを試作し,30nmのアルミナ粒子に対して粒子攪拌・搬送実験を行い,本方法による微粒子攪拌・搬送が有効であることを示した。得られた基礎実験結果と数値計算結果とを比較検討することにより,数値計算モデルの妥当性を評価し,数値計算コードのさらなる高精度化のための指針を得た。本年度得られた研究成果は,日本機械学会第88期流体工学部門講演会において発表されるとともに,本研究による微粒子攪拌・搬送方式を特許出願した。
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