羽ばたき飛行ロボットの自律飛行制御を目指し,本年度は以下の2点について研究を行った. ・羽ばたき飛行ロボットのシミュレーションモデルの改善,および,それに基づく飛行ロボットの再設計 前年度までに開発した羽ばたき飛行ロボットのシミュレーションモデルについて,試作機による飛行データを基にシミュレーションモデルの改善を行い,それに基づき機体を再設計した.さらに羽ばたき方法の改善も試み,昨年度までの試作機と比較して飛行性能の向上を確認した.滑空飛行については,羽ばたき動作を停止させ,翼を一定の角度に保った状態からの投げ出し実験によって,ある程度の滑空飛行が可能であることを確認した.助走からの飛び立ちの実現では,車輪を取り付け走行させることによって多少の上昇力を得ることができることは確認したが,上昇力が十分に得られず,飛行につなげることはできなかった.飛び立ちを考慮した機体の設計が必要であることを確認した. ・複数のセンサを持つ動的システムに対する,サンプリング周期が不均一な場合の状態推定・ロバスト制御手法の設計条件の緩和 前年度までに開発した状態推定手法とロバスト制御手法について,羽ばたき飛行ロボットに搭載するマイコンで実行可能にするために計算負荷の軽減が必要である.本年度は計算負荷の軽減を実現する設計条件の緩和に取り組み,前年度に比べて設計条件の緩和に成功した.しかし,飛行ロボットに搭載可能なマイコンで実行可能なレベルまで緩和ができておらず,さらなる条件の緩和が必要であることを確認した.
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