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2011 年度 実績報告書

超音波放射圧による高濃度生体微粒子群の非接触操作技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22760169
研究機関電気通信大学

研究代表者

野村 英之  電気通信大学, 情報理工学研究科, 助教 (90334763)

キーワード非線形音響学 / 波形歪み / 音響放射圧 / 圧縮性粘性流体 / 計算音響学 / パラメトリックアレイ / 弾性球
研究概要

本研究の目的は,バイオテクノロジー,医療計測分野において必要とされる,マイクロ流路中の高濃度生体微粒子群を非接触かつ安全に制御するための基礎検討である.ここでは制御のための遠隔力として,溶液中に任意のポテンシャル分布を生成可能な超音波放射圧を利用する.特に本年度は,流路中に発生させるポテンシャル制御及び微粒子運動解析を目的とした.
超音波放射圧は,線形音響現象の一種である.そのため,通常用いられる線形波動方程式の利用は適さない.そこで,非線形を考慮した,粘性流体の支配方程式を基礎としたシミュレーションモデルの開発を行った.通常,時間領域で流体力学の支配方程式を直接解くシミュレーションは多くの計算機資源,すなわちメモリ容量や,計算機間を必要とする.本研究ではそれらを効率的に利用するため,演算子分割法によるシミュレーションモデルの開発を行った.
開発したシミュレーションモデルにより,任意形状のポテンシャル生成の検討を行った.鋭い指向性及びサイドローブが小さいといった特徴をもつパラメトリックアレイの原理を応用したポテンシャル制御技術である,ビーム長抑制型パラメトリックビームの開発を行った.これは周波数及び初期位相の制御された複数のパラメトリック音源を利用することで,効率的に音場を制御する技術である.シミュレーションの結果,通常のパラメトリックビームに比べ,幅の狭いかつビーム長が抑制されたビームを発生させ,その有効性の確認を行った.このことは,適切な条件のもとで音源をすることで,サイドローブの小さいビームの発生,すなわち特定方向へのみ音場を形成できるといった利点を有する.
通常,超音波放射圧の計算において,微粒子材料のもつ弾性的効果は無視される.ただし,特たは弾性体として共振現象が異常な放射圧を発生させる.そこで,弾性を考慮した放射圧理論を基に,効率的に放射圧の計算を行う数値モデルの開発を行うことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画である,任意ポテンシャル発生技術の基礎的な検討の達成,さらに弾性を考慮した検討を追加で行った.ただし,音場中の微粒子運動解析については不十分な結果であった.そのため「おおむね順調に進展ししている」と判断した.

今後の研究の推進方策

平成23年度に得た任意ポテンシャル制御技術の効率的な方法の検討を行う.また,そのような音場中に多数粒子が存在する場合の運動解析を行う.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] The feasibility of pulse compression by nonlinear effective bandwidth extension2011

    • 著者名/発表者名
      GT.Clement, H.Nomura, T.Kamakura
    • 雑誌名

      J.Acoust.Soc.Am.

      巻: 130 ページ: 1810-1819

    • DOI

      doi:10.1121/1.3625236

    • 査読あり
  • [学会発表] ビーム長抑制型パラメトリックアレイにおける音源駆動条件の影響2012

    • 著者名/発表者名
      野村英之, 鎌倉友男, C.M.Hedberg
    • 学会等名
      日本音響学会2012年春季研究発表会
    • 発表場所
      神奈川大学(横浜市)
    • 年月日
      2012-03-13
  • [学会発表] パラメトリックアレイの時間領域シミュレーションと差音ビーム形成の可視化2012

    • 著者名/発表者名
      野村英之, 鎌倉友男, C.M.Hedberg, G.T.Clement
    • 学会等名
      電子情報通信学会/日本音響学会超音波研究会
    • 発表場所
      関西大学(吹田市)
    • 年月日
      2012-01-26
  • [学会発表] パラメトリック差音生成の時間領域シミュレーション2011

    • 著者名/発表者名
      野村英之, C.M.Hedberg, 鎌倉友男
    • 学会等名
      日本音響学会2011年秋季研究発表会
    • 発表場所
      島根大学(松江市)
    • 年月日
      2011-09-20
  • [学会発表] Numerical simulation of length-limited parametric sound beam2011

    • 著者名/発表者名
      H.Nomura, C.M.Hedberg, T.Kamakura
    • 学会等名
      International Congress on ultrasonics 2011
    • 発表場所
      Gdansk, Porland
    • 年月日
      2011-09-05
  • [学会発表] 数値シミュレーションによるパラメトリックアレイの音場評価-Self-silenced sound beamへの適用-2011

    • 著者名/発表者名
      野村英之, C.M.Hedberg, 鎌倉友男
    • 学会等名
      電子情報通信学会/日本音響学会超音波研究会
    • 発表場所
      電気通信大学(東京)
    • 年月日
      2011-04-28

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公開日: 2013-06-26  

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