近年、MEMSデバイス、0402チップ部品に代表されるように、超小型部品が急激に増加している。一方、既存のチップマウンタは、単軸ステージを組み合わせる構成のため、稼動部が100kgに達する。そのため、繰返し位置決め動作の際に発生する振動のための除振装置、スペースが必要になり、消費エネルギーの増大が避けられない。本研究では、50gと超軽量な小型精密自走機構を独立三自由度でFF/FB制御することで高速位置決め動作を実現する。チップ部品の液体を使った実装ツールの開発も行い、チップ部品の実装の際の、発生振動、消費電力、装置サイズを1000分の1に低減できる新しい実装技術を開発することを目的として実施した。得られた成果は次の通り、 1.ニードル式の微小液滴塗布ツールを用いて、液架橋力を用いてチップ部品をピックアップし、基板上へ配置する技術について研究を行った。基板上へ予め、接着剤、ペーストハンダを塗布することで、チップ部品の実裝を実現した。 2.電磁石の最適設計を行い磁力を0.1Aの電流の時に、0.8Nから1.2Nへ増加させた。 3.繰り返し動作補正法を適用することで、全方向に対し、動作補正を行えることを確認した。 4.一歩内の精密位置決めの際の、過渡特性を解析し、支持脚が滑らない条件での最短の整定時間を実現できる圧電アクチュエーターの最適波形を導出した。最適波形を用いたFF制御と、PID制御を組み合わせることで、30μmまでの位置決め範囲で、位置決め誤差、0。05nm以下、整定時間50ms以下を実現した。
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