研究課題
【研究の目的】本研究は、ユーザの複数筋群に生じる筋電位信号から運動を定量評価し、パフォーマンス改善のための運動教示を行う運動学習支援システムの開発を目的とする。提案手法の最大特徴は、筋拮抗比・筋活性度という新概念の下、筋シナジーを抽出し、対象運動の評価/支援を行う点にあり、運動中の筋活動バランスの改善が運動学習において効果的な役割を担うことの実験実証を行う。本システムの開発により、スポーツコーチングおよびリハビリテーションへの革新的展開が期待できる。【研究成果】今年度の研究成果は、大きく以下の2点である。1.筋シナジーに基づく運動評価システム運動時に複数筋群に働く筋電位から筋協調度を測り、これを指標とする運動評価システムの開発を行った。本システムは後述の運動支援システムへの応用を考慮に入れ、運動支援時のユーザの状況および目標達成までの支援量がグラフィカルに提示できるようにインタフェースが工夫されている。本成果は学会発表、国際特許の形でまとめられている。2.筋シナジーに基づく運動支援システムロボットによる物理的運動教示が運動学習に与える効果を検討するために、任意の運動教示下においてユーザの運動指令を定量的に評価できるロボットシステムを開発した。現在、提示された未知の力場下において、目標運動を実現する筋シナジーが獲得されていく過程をリアルタイムに可視化することができる。今後は、ユーザの早期タスク習熟へ向けて、どのような運動教示が適切か考察を深めていく予定である。
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日本ロボット学会誌
巻: vol.28, no.8 ページ: 989-995