研究課題
【研究目的】本研究は、ユーザの複数筋群に生じる筋電位信号から運動を定量評価し、パフォーマンス改善のための運動教示を行う運動学習支援システムの開発を目的とする。提案手法の最大特徴は、筋拮抗比・筋活性度という新概念の下、筋シナジーを抽出し、対象運動の評価/支援を行う点にあり、運動中の筋活動バランスの改善が運動学習において効果的な役割を担うことの実験実証を行う。本システムの開発により、スポーツコーチングおよびリハビリテーションへの革新的展開が期待できる。【研究成果】今年度の研究成果は、大きく以下の3点である。1.筋シナジーに基づく運動制御モデルの構築昨年度に開発した筋シナジー評価システムを様々な運動タスクに適用し、抽出された筋シナジーと身体運動との関係を解析することでぐ身体の運動制御モデルを構築した。本成果は、学術論文および学会発表の形でまとめられている。2.筋シナジー評価に基づく運動支援システムの開発筋シナジー評価システムの評価結果を元に、ユーザの歩行運動を力学的に支援する膝関節ロボット装具を開発した。本ロボット装具は複数の人工筋群から構成され、筋拮抗比・筋活性度の新概念の下、人工的に操作される筋対群と人に内在する既存筋群の複合系において、適切な筋シナジーが実現されるように制御される。本装具は、ロボット運動教示による筋シナジー修正がユーザの運動改善に効果的であることの検証に用いられた。3.開発システムの運動支援効果の検証自然歩行において左右の膝関節角度の差異が大きい被験者を対象に、開発した膝関節ロボット装具を用いた歩行矯正実験を行ったところ、矯正前に比べ、筋シナジーバランスが改善され、左右の膝関節角度が同等となる効果を得た。今後は被験者を増やし、提案手法の有用性をさらに裏付ける予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
日本ロボット学会誌
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http://robotics.me.es.osaka-u.ac.jp/MiyazakiLab/