22,23年度の研究によって,7自由度を有する訓練装置および他動運動訓練,自動介助運動訓練,自動運動訓練などの訓練モードをニューラルネットワークにより自立的に調節可能な制御システムの構築を行った.これらの研究成果により,提案するシステムの実現可能性が確認できたが,同時に現状の装置において可動域を向上させることでさらなる性能の向上が期待できる. 24年度は,外骨格構造の改良および構造の最適化を行うことで可動域の向上による性能向上を行った.また,これまでの装置では各種空気圧人工筋を使用していたが,これを電動モータによる駆動に変更し,アクチュエータの駆動方式による得失を明らかにし外骨格型のウェアラブルロボットの駆動方式に関する知見を得た. これまでの外骨格構造は,人工筋を組み込むことを想定し最適化された構造であり,人工筋の可動範囲と人間の可動範囲,装着性を考慮して構造を決定していた.そのため,コンパクトな構造ではあったものの,可動域は人工筋の可動範囲に依存していた.電動モータに切り替えることで,アクチュエータの可動範囲と装置の可動域が独立したものとなるため可動範囲が向上した.反面,電動モータの使用に伴う装置重量の増加が問題となったため,強度の影響のない範囲での機構の簡素化ならびに樹脂材料による外骨格の軽量化を行った. この研究成果により7自由度を有する訓練装置を実現したとともに,アクチュエータの駆動方式による得失に応じて使い分けることで外骨格型のウェアラブルロボットの駆動方式に関する知見を得た.
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