研究概要 |
太陽光発電などの自然エネルギー発電は出力変動が大きいことから予備力確保など電力供給側・需要家側双方での対策が必要であり,その対策としてマイクログリッドの研究が行われている。本研究では,直流を主たる配電方式とするDCマイクログリッドにおいて,研究室に構築している実験用ミニモデルを拡張する方式としてリアルタイムシミュレータと電力回生機能付電源を用いる手法を提案し,本手法の特徴を明らかにするとともに拡張システムを用いた安定性解析などを行うことを目的としている。 平成23年度において得られた成果として,昨年度制御手法と回路構成の検討を行った電力回生機能付電源を作成した。制御はDSPを使用した制御装置を所属研究室で製作して用いた。本DSPは32bitの浮動小数点演算を演算速度150MHzで行うことができ,1ステップ時間が10nsと高速なPWM出力チャネルを14チャネルと変換速度80nsのA/Dインプットチャネルを16チャネル搭載しており高速な制御が可能である。制作した電力回生機能付電源に電流指令値として5Aのステップ変化を与えたところ応答時間約800μsを達成し,オーバーシュートなく指令値に追従できることを確認した。次に製作した双方向直流電源をリアルタイムシミュレータと直流マイクログリッドの実験用ミニモデルを接続し,Hardware in the Loop Simulation (HILS)による解析を行った。実験用ミニモデルの結果とリアルタイムシミュレータで模擬したHILSシステムでの結果を比較し両結果がほぼ同じであることを確認した。これにより解析手法実験用ミニモデルを拡張した場合についてオフラインによるシミュレーション結果とHILSシステムの結果を比較し,本手法による解析の妥当性を確認した。
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