研究課題
チタン酸バリウムに代表される電子セラミックス誘電材料はキャパシタや圧電素子に広く実用されているが、材料を薄膜化することで、メモリ素子(強誘電体メモリFeRAM、マイクロ波バラクタ(BSTチューナブルキャパシタ)等のまったく新しい電子デバイスが登場する。しかし、多結晶であるセラミックス膜では、特性劣化や微細化限界の解明・解決の見通しはない。本研究ではこれまでにない形態のセラミックス:自己組織化ナノ結晶を創る。これは核形成を完全に制御して、「砂利道」のような従来の膜ではなく、「タイル張り」の超均質膜を得る。これで結晶粒界やサイズ効果が明解になり、基礎物理の解明が大幅に進展する。最終的に劣化と不均質を解消した膜によって、BSTマイクロ波バラクタの大幅な特性改善を達成する。これまで開発したナノ結晶レベルでの薄膜作製技術をさらに最適化するだけではなく、薄膜上にマイクロ波導波路パターンを実際に作製し、特性の測定と、計算機シミュレーションを併用して特性の解析を行った。その結果、直流電圧によるマイクロ波特性のチューニングが明確に得られ、解析にて予想された結果とも一致した。また、基礎技術であるナノ結晶育成や機能性酸化膜作製についてもさらに高品質を進めた結果、優れた特性や低温化などの利点が得られたため、これらの結果を論文として順次、出版しつつある。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
The proceedings of AM-FPD 11
ページ: 145-147
ページ: 129-132
Proceeding of the 2011 International Meeting for Future of Electron Devices, Kansai
ページ: 106-107
JJAP
巻: 50 ページ: 03CA05-1-5
10.1143/JJAP.50.03CA05