本研究は投射光学系におけるアイリス(絞り)面に配置した液晶シャッターを用いてアイリス面を空間分割することにより、精密な光の方向制御とそれに基づいた高品位立体表示技術を確立することを目的として、液晶シャッターによるアイリス面の空間分割法、およびレンズ光学系の最適設計条件の明確化、スクリーンに結像された光の精密な方向制御手法の確立、液晶シャッターの光学設計条件および駆動条件の明確化、これを用いた立体表示システムの構築と有効性の実証について検討を行った。 本年度はアイリス面の空間分割に基づいた光方向制御光学系の設計理論の構築を目標としてアイリス面空間分割による光方向制御の解析を行った。光学計算ソフトウエアを用いた理論解析により、スクリーンに結像した光の進行方向と光学素子の設計条件との関係を体系的に明らかにし、精密な光方向制御に必要となる液晶シャッターおよび光学レンズの最適条件を明確化した。理論設計により得られた光学設計条件に基づき、プロジェクター、光学レンズ、液晶シャッターから構成される光学系を構築し、試作したレンズ光学系における光の空間分布を測定・評価し、設計理論の妥当性を確認した。 更に、二つのマイクロディスプレイタ用い、液晶シャッター存用いて射出される画像光の偏光状熊を制御することにより画像のちらつきや明るさの均一性を改善できることを初めて明確化した.
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