平成22年度は主に以下の2つの成果を上げた。 1.パッチ可能ハードウェア方式の提案・有効性の実証 ハードウェアの製造後に必要とされる変更は一般的に仕様の一部変更やバグ修正など局所的で小規模なものであることに着目し、パッチ可能ハードウェアという新規方式を提案した。本方式では専用ハードウェアと同様に結線論理で動作するが、修正が必要な状態の場合のみプログラマブル素子を動作させることで、非常に高い電力効率を実現できる。この研究成果を国内研究会で発表し、システムLSI設計技術研究会優秀論文賞とデザインガイア2010ベストポスター賞を受賞した。 2.設計記述の差分析手法の提案 パッチ可能ハードウェアでは、実際に設計が変更された際にどの部分が変更されたかを指定する必要がある。一般的にどの部分が変更されたかを指定することは難しい。そのため、設計記述間の最小差分を目動的に計算する新規手法を提案した。提案手法はテキストベースとグラフベースの差分計算手法を組み台わせることで、現実的な規模の問題に対しても適用可能である。成果は国内研究会で発表した。
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