平成23年度は主に以下の2つの成果を上げた。 1.パッチ可能ハードウェア向け高位合成プロトタイプツールの開発 近年ではC言語などの高位言語で記述から自動的にハードウェアを合成する高位合成技術の普及が進んでいる。前年度に提案したパッチ可能ハードウェア方式を高位言語から自動的に合成する高位合成ツールのプロトタイプ開発を行った。この研究成果を設計自動化分野で著名なACM肥EEDAC2011のWork-in-Progressセッションで発表し、またIEEE/ACMIIFIP CODES+ISSS 2011でも発表を行い最優秀論文候補に選ばれた。 2.パッチ可能ハードウェアの有効性の実証 開発した高位合成ツールを用いてパッチ可能ハードウェアをFPGA上に実装し、H.263動画再生システムを構築した。このシステムはFPGAボードとLCDディスプレイからなり、H.263動画エンコーダはFPGA内のプロセッサ上のソフトウェアとパッチ可能ハードウェアで実装されたアクセラレータで構成されている。このシステムを用いて、アクセラレータの設計誤りによって再生画像に乱れがあった場合にもパッチを当てることで修正が可能であることを確認し、パッチ可能ハードウェアが現実的例題に対しても有効であることを実証した。
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